姫密桜
違うクラスの担任の先生が
教室に入るのと同時に、私達
三人は走って、ばれない様に
女子トイレに姿を隠した。

「ナチ君、ここ女子トイレだよ
 ・・・怒られない?」

「大丈夫・・・
 
 それより、サクラ
 さっきの話・・・
 
 オリグチの言葉に思い当たる
 節でもあるのか?」

頷く、私。

「ナチ、本当は貴方も
 何となく、そうだと
 気づいているでしょう?」

「気づくかよ・・・」

不安な私の頭を、優しく
撫でてくれる那智。

「そんな事まで、俺は
 分かんねえよ」

「サクラ
 やっぱり、帰るの?」
< 511 / 675 >

この作品をシェア

pagetop