姫密桜
「ワカ、ごめんね・・・
 私、真実が知りたいの
 
 私の出生に関する大事な話
 を彼女、オリグチさんから
 聞くのは違うと思う
 
 逃げるわけじゃないよ
 彼女と話すのは、もっと
 後でいい・・・

 帰って、お母さんに
 真実を聞いて見る」

「そうか、分かった」

女子トイレを出て行く二人の
後ろに身を隠して歩く私。

二人が教室へ入るのと同時
に、私は廊下を駆ける。

「お前等、どうした?
 クスミは今日も休みか?」

先生の声・・・

私は、上履きを履き替え
急いで校庭に出た。

その頃、槇は西と学年集会に
遅れて参加、体育館内へ
入ろうとしていた。
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