姫密桜
「マキ、あれ
 サクラちゃんじゃねえ?」

「えっ?」

桜の元へ駆け出す槇・・・

「マキ・・・」

学校を出た私は、ほっと
息をついた。

そして、今度は大きく
深い息をつく・・・

真実を知りたい。

でも、本当は
真実を知る事・・・
とっても、怖い。

真実を知れば、私は嫌でも
本当の父親を知る。

今のお父さんの本当の娘
ではない事を知る。

ううん、本当の娘でない事は
知っている。

知ってるけど、私のお父さん
はこの世に、たった一人
櫂ちゃんと槇のお父さんだけ
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