姫密桜
本当は今すぐ、貴方に
聞いてもらいたい。

この胸の嫌な気持ち
苦しい想いの全て
を貴方に・・・

だけど、今は話せない。

「大丈夫だよ、一人で平気」

「そうか、じゃあ
 俺、戻るわ
 サクラ、気を付けて帰れよ」

学校へ戻って行く槇の後姿。

「マキ」

振り返る槇に、私はある
お願いをする。

「今日のお昼休み
 彼女、オリグチさんには
 会わないで・・・

 彼女の言葉に、絶対に
 耳を傾けないで
 
 お願い

 彼女の声を・・・」
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