姫密桜
「・・・
 マキに愛を告げる事
 ものすごく怖かった
 
 私の、この想いのせいで
 家族がボロボロになって
 家庭が壊れてしまったら
 どうしよう

 お父さんとお母さんが築き
 上げてきた、幸せのこの
 場所を、私のマキへの想い
 が全て壊してしまう

 ママの言葉がなければ私は
 身動きひとつ取れずに
 
 籠の中で死んでいたかも
 しれない」

死・・・桜の想い・・・

「サクラ・・・」

「お父さん、私のマキへの
 この想いは、おかしい事
 なのかもしれない
 
 兄を好きになるなんて、変
 
 でも・・・止められなくて
 でも、言えなくて・・・

 幼い頃から、ずっとずっと
 この胸に秘めて生きてきた

 マキがルミさんと将来を誓い
 合ったあの時も辛かったけど
 マキへの想いを一生隠して
 生きていく
 
 そのつもりだった・・・
 
 だったけど・・・」
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