姫密桜
「あの電話、そうか
 相手は・・・

 しかし、お前達は
 兄と妹・・・」

困っている、お父さんの表情

「悪いが、俺はまだ
 どうしても許す事
 ・・・できない」

「あなた?」

「サクラの気持ちも
 マキの気持ちも
 俺には痛いほどに分かる

 大切な二人には幸せに
 なってもらいたい

 もう少しだけ、俺に時間を
 くれないか?

 二人の事、俺なりに
 よく考えてみるから・・・」

「お父さん、ありがとう」

「ああ」

「お父さん、真実を知っても
 私の、お父さんはこの世に
 一人、お父さんだけだよ」

「ああ、お前は俺の
 大事な、可愛い娘だ」
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