姫密桜
私達には、同じ場所に
今も薄らと残る痣がある。

その痣は、もうすぐ
跡形も無く、消えちゃう。

「クスミ君、おはよう」

「クスミ先輩 
 おはようございます」

「ああ・・・」

時は過ぎ

一学期、終業式。

約、一月ぶりに折口さんが
学校に現れた。

彼女の姿に、ざわざわと
ざわめき出す生徒達。

「アンタ
 まだ、居たの?」

「やめたんじゃなかったぁ?」

「やめれば?」
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