姫密桜
『お願い、マキ
 つらい恋は
 もうやめて
 
 傷つくあなたを・・・
 
 許されない愛の果てに
 絶望するあなたを・・

 見ていたくない』

彼女の言葉は、何ひとつ
間違ってなどいない。

「ひどいよね・・・
 
 そう言えば、マキが
 私に振り向いてくれること
 
 私、知ってた

 結局、何をしても
 貴方達の愛は本物で
 私は、適わない・・・

 どんなにマキが恋しくても
 マキの愛は、私の手には
 入らない

 ねえ、今朝の続き
 私の為に、あなたは
 マキの事をお兄ちゃん
 そう、呼ぶの?」

「・・・ちがう」
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