姫密桜
「やめてよ、そういうの
 恋愛に私情を挟むような
 ことは、やめて

 姉だから、妹だから・・・
 そんなの関係ない
 
 これは、私の人生
 後悔のない人生を送って
 私は死にたい

 私が、貴女なら絶対に
 マキの手を放さない

 どんなに妹である
 貴女が泣いても
 ・・・・・・」

「オリグチ・・・・」

鳴り響く、着信音。

「もしもし、お父さん
 今、行くから・・・

 私、もう行かなきゃ
 それじゃあ・・・」

私の脇を通り過ぎ
歩きだした彼女の髪が
揺れる。
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