姫密桜
ガチャガチャ・・・

開かれるドア。

驚く槇は、微笑む。

「何してんだよ、全く」

ブーツを脱ぎ、床に立つと
しゃがみ込み、可愛い寝顔
を見つめる。

床に眠る、桜を見つめ
軟らかい桜の頬に指先で
触れる。

「起きねえし・・・」

物音に気づいた母が
起きて来た。

「マキ、帰った・・・」

「しっ」

階段の前、眠る桜を両腕で
抱き上げて立つ、槇。

「一人で、大丈夫?」
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