姫密桜
背中にレースが飾られていて
その部分は肌が透けて見える
デザイン。

「そんなに見えてないじゃん」

櫂ちゃんの声。

「だよね、見えてないよね?」

「でも、男受けしそうな服だな
 
 声かけられても変な男に
 ついて行くなよ」

その言葉を残し、リビングに
入って行く櫂ちゃんの背中に
私は言う。

「ついていかないよ

 今日は、友達の彼氏が
 一緒だもん

 前とは違う・・・」

前とは違う・・・

振り返る、櫂ちゃんの瞳

「ふうん」

槇を、見つめる。
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