姫密桜
廊下に、槇と二人きり・・・

「ついて行った事あるの?」

「一度だけ・・・
 
 声、かけて来た人が
 サエグサさんの友達
 だったの
 
 カラオケ行っただけだよ」

私を見つめる、槇の視線が
痛い。

「あっ、アイス
 カイちゃんのお土産
 
 お兄ちゃんのもあるよ
 冷凍庫に入れとくね」

「ああ」

槇の低い声、怒ってる?

「サクラ、携帯
 鳴ってるわよ」

「はい、今行く」

リビングへと向かう私の手
に触れる槇の手。

大好きな槇が私に触れる。
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