姫密桜
深呼吸をして
私は心を落ち着かせる。

そして、部屋のドアを
ノックした。

返答の無い、部屋。

ゆっくりとドアを開くと槇は
ベッドで眠りについていた。

疲れているのか、ぐっすり
熟睡してる。

そっと、槇の手に触れ
ゆっくりと、貴方を感じる。

以前よりも、骨節が硬く
ごつごつした手。

焼けた肌

私の知らない、槇・・・

寝返りを打つ、槇の手を
私は放した。

今すぐ、槇に、この想いを
伝えたい。

だけど、夜まで待とう。
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