姫密桜
舞い散る、花びら。

校庭に敷き詰められた
花びらの絨毯。

下校する、生徒達。

那智に和歌子は、仲間の
おしゃべりを聞きながら
歩幅を合わせて歩く。

「お前、さっきから
 そればっか・・・」

そんな二人の背を勢いよく
叩く手。

「お二人さん、相変わらず
 仲いい」

「びっくりしたぁ」

「サエグサ、お前
 痛いだろう、考えろよ」

「じゃあね」

ここにも、笑い声が溢れる。

校門近くに停められた一台の車
その助手席のドアを開くのは梓

「アズサ、お前
 今日も親父さんと一緒かよ

 いい加減、ファザコン
 卒業しろよ」

「うるさいなぁ
 ナチには
 関係ないでしょう

 ワカコ、付き合う男
 考えた方がいいよ」
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