姫密桜
窓の外に、手を繋ぎ仲良く歩く
恋人同士の姿が梓の瞳に映る

男性の右手には、見覚えのある
腕時計。

梓は、見つめる・・・

「アズサ
 
 今夜は、久しぶりに
 外食でもするか?」

「うん、そうしよう
 何、食べようかな?」

青信号・・・

走り出す車。

私の胸は、もう痛まない。

「幸せに

 なってね」

「何、しあわせ?」

「そう、幸せ
 
 どこかに、素敵な男性
 いないかなぁ
 
 私も、幸せになりたい」
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