姫密桜

愛が欲しい

彼女とは

友達にはなれない。

「クスミ先輩
 さよなら」

「おう」

「クスミ君、またね」

「ああ」

校門に立つ槇は、また
挨拶の嵐を受けていた。

私と和歌子がその場所へ
近づいていくと

槇の視線が
折口さんを探している。

「彼女なら
 お父さんが迎えに来る
 って言ってた」

槇に聞かれる前に
私は言う。
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