拾遺詩集 キマイラに捧ぐ
遠くに花開く愛へ
『遠くに花開く愛へ』
もう必要ない僕を
僕の欺瞞を蹴りつけて
君は君へ飛んだ
だって僕はいつからか安心すらして
君の眼差しが自分の歩調に安らぎ
無駄な助けがなにかを損なうことを
わかっていたんだ
愛着と義務が最期のつながり
振り切ることが
互いの真実
塔に幽閉された高貴な君を
救いたかったんだ
君が自分で出られることを知った
それがすべて
メルシ
それからすぐアデュー
名もない騎士に信をくれた君が
愛に花開くのを
見たかったんだ