拾遺詩集 キマイラに捧ぐ

泣く前にお別れ




『泣く前にお別れ』

倒錯と淋しさがくれた
君という蜃気楼を
僕は大事にしていた
文字と
甘い声が
僕にとって
君のすべてだった

世界が幻なのに
蜃気楼が大事なんて
笑える

泣く前にお別れ
もとからいない君へ
さよならすらない
青空の中の








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