拾遺詩集 キマイラに捧ぐ

柄に紅玉




『柄に紅玉』


確信犯
とまではいかない半端な妥協
のせいで獲得した
魔術師のナイフ
こんなにキラキラした刃物に
隠れて憧れてたずっと
キラキラしてるのはそこそこ
あるからだよ切れ味
そして柄には紅玉

あなたを見つけたのは
路地裏
仕掛けた種を回収してる僕に
怪しさが匂い立つような
空虚な秋のコート
背中からかけた言葉に
あなたが一瞬立ち止まった気配

気配だけでいい





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