拾遺詩集 キマイラに捧ぐ

自前の愛しか





 自前の愛しか


あまりの淋しさに
壊れてしまったかな

人の優しさは仮りの宿であって
暖かさを味わってしまったら

孤独は深まるばかり

優しさに逢わないほうが
まだましだった


やはり自前の愛でしか
満たされない

のを
わかっていたはずなのにあまりの淋しさに

見失う

見失ってもいいと
思えるくらい
もう立ち上がれない
ことがある

すがりついて
泣き崩れて
お願いだから側にいて






いえたら
壊れなかったのかな?


恩赦を取り消された
死刑囚のように
もう
死さえも
支えにならない
ほど







< 8 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop