拾遺詩集 キマイラに捧ぐ
自前の愛しか
自前の愛しか
あまりの淋しさに
壊れてしまったかな
人の優しさは仮りの宿であって
暖かさを味わってしまったら
孤独は深まるばかり
優しさに逢わないほうが
まだましだった
やはり自前の愛でしか
満たされない
のを
わかっていたはずなのにあまりの淋しさに
見失う
見失ってもいいと
思えるくらい
もう立ち上がれない
ことがある
すがりついて
泣き崩れて
お願いだから側にいて
と
いえたら
壊れなかったのかな?
恩赦を取り消された
死刑囚のように
もう
死さえも
支えにならない
ほど