拾遺詩集 キマイラに捧ぐ
ありのままの認識
ありのままの認識
いつも思ってた
本当は愛されたいと
だけどいつも
愛さなければと
その思いは無視で
でもいつか破綻する
愛することの正しさが
愛されたいを押し潰す
そうしたら
愛されているのに
不思議に干からびてしまう
愛しているのに
不思議に虚しい
正しいのに
そういう自分の
奇妙な違和感を微かに
感じて
でも
いつも
思っていた
ことを気付かないようにしていた
愛されたい
は
間違ってるからと
愛さなければ
愛されないと
さびしくて壊れてから
気が付いた
愛されたいといつも
思っていたこと
それを間違ってると
思っていたこと
一番正直な気持ち
心の底からそう思って
そうしたら
満たされた
それが答えだった
それが
嘘や偽りのないわたし
だから
愛されないことより
愛されたいことを
認めないことのほうが
残酷だ
わたしがわたしを無視していて
わたしを一番愛していなかった
自分以外
誰もあてにはならないのにね
誰もわたしの孤独は救えない
でも
愛されたいことを
そのまま深く感じたら
さびしさが
苦しさが
雪のように消えるのを
魔法のように
眺めている
正直なありのままの認識は
自分への偽りのない
永遠の愛