少女が見つけたモノ
怒られている男子生徒の方をジーッと見つめる。
同じ境遇にいる人を見ると妙に親近感が湧くのだ。

というか、なぜか気になって目で追ってしまった。

上はTシャツ、下はジャージ姿で背中を丸めて話を聞いている。
風が吹くと茶色い髪がやんわり揺れた。
顔見えない。
「俺が言ってる事分かるか?相沢。」
「はぁ。」
いきなり質問を投げ掛けられたので、彩香は先生へ顔を向け適当に返事をした。
「本当に分かってるか?」
「はぁ…。」
「分かるならなんで…」
また説教に戻ったのを確認して、再び目線を男子生徒に向けた。
先生が泣き出しているのが目に入った。
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