少女が見つけたモノ

しばらくは担任に会わない方がいいな…。
少し後悔しながら廊下を歩いていると、フッとまたあの男子生徒の事が頭に浮かんだ。

あの人…誰だろう。

「アレ？彩香？」
いきなり後ろで名前を呼ぶ声が聞こえたので考え事を止めて振り返ると人が立っていた。
「あ、奈央。」
「今来たん？」
「微妙に違う。担任に捕まってたし。」
「そりゃご苦労様。」
そう言いながら奈央は笑った。
「な～んかあたし最近たるんでるんだって～。」
担任に言われた事を皮肉っぽくグチった。
「確かにそうだね。」
「えっ、フォローなし？」
「まぁ担任に指摘されると正しい事もな～んか反発したくなるけどさ。」
「あー、うん。」
スパッと奈央に指摘され、素直に自分の否を認めてしまった。
奈央は自分の意見をハッキリ言う。でも人の気持ちもちゃんと理解してくれる。
そういうところが好きだ。
「そーいや彩香バイトまた辞めたんだって？」