先輩の背中
「じゃあ、戻るか」
「はい…」
立ち上がると、足が震えていてよろめいた。
すると先輩も立ち上がっていて、受け止めてくれた。
先輩の胸に顔が埋まる。
一瞬自分が何やったかわからなかった。
だけど我に返って、サっと離れる。
「す…すいません!!」
恥ずかしい。
もう自分が何やってんのか分からない。
「いや、南みたいな可愛い子に抱きついてもらえて、俺も光栄だけどww」
そう言っておどけて見せた。
ドキっとした。
だけど、すぐ駄目だって思う。
先輩の邪魔しちゃ駄目だって思ってペコっと頭を下げる。