先輩の背中
「こらー!!
お前ら最後の日くらい静かにしないかー!!!」
職員室から鈴木さんが走ってきた。
よっぽど騒がしかったんだろうなーって、反省してると、先輩の親友で莉子のお兄ちゃんの竜也くんが鈴木さんに手を振った。
「陽と南ちゃんがキスしてるよー!!」
大きな声で叫ぶと、鈴木さんは一瞬止まってため息をついてから、こっちに向かってすごい勢いで走ってきた。
「安藤、中野ー!!」
「竜、うせろ。
しょーがねーなあ…、逃げるか」
「え!?」
「走れ!!」
そう言うと先輩はアタシの手を強く握って走り始めた。