先輩の背中
「いちいち俺に気ぃ使ってんなよ。
そんなのお前らしくもねぇし、気持ち悪い。
しかもこんなの早く言った者勝ちじゃん。
そんなんだったら俺ずるいやつになるし、なりたくねぇーよ。
お前も南好きなんだろ?
はっきりいえ」
陽介はそこで言葉をきった。
「何でお前にそこまで言われなきゃなんねぇーの?
あぁ確かに南ちゃんのことは好きだけど、もうあきらめついてんだ!
考えたくねぇよ、今は」
「告白しなくていーの?
ずっと後悔すると思うけど」
「しねーよ。
つかお前南ちゃんが誰が好きかなんて知ってんだろ?」
「しらねーぇよ。
だから告るんだろ?
南のことすきだから、アイツが好きな相手とか知りてーし…」
お前に決まってんだろ?
そういってやりたかったけど、これを言うのは俺じゃだめなんだ。
「わりぃ、頭冷やすわ」
そういって俺は陽介から離れて考えることにした。