神様のかんちがい
「出会い」

☮きっかけは元彼だった


「ほら、愛海!!早く行って来なよ!!」

あたしは友達に背中を押されながら
校門をくぐっていた。

「え・・・でも・・・・」

「いいから!!
 彼氏とたまには一緒に帰りなよ?」

「・・・・ええーー!!?」

「いっつも悠斗君、
 愛海と一緒に帰りたがってんじゃん?」

「・・・そうかもしれないけどさ」

「もーー!!普通、彼氏がいるのに一緒に
 帰らないとかありえないでしょ!!?」

「いいじゃん別に!!」

「まあ、いいから早く行って来い!!!!」


勢いよく背中を押されて、
あたしはつまずきながら前に進んだ。

「あれ?愛海じゃん!!?」

ちょうど、タイミング良く振り返った悠斗君。

そう、この人があたしの現彼氏。

大城悠斗。

「愛海、一緒に帰ろうか?」

「あ・・・・う、うん・・・・・」

そう答えるしかなく、
あたしは差し出された手を握った。


「初めてだね。一緒に帰るの」

「そ、そうだね・・・」

引きつり笑顔でいるあたし。

それに反比例して悠斗君はご機嫌。

「何で、急に一緒に帰る気になったの?」

悠斗君のキツーイ質問。

「え?ああ・・・なんと、なく?かな?」

「ふーん・・・なんとなくね!!」

はっきり言って、
帰る気なんて全然なかった。

むしろ、一緒に帰りたくないと言うか・・・


とにかく、あたしたちは付き合ってるのに
恋人同士らしいことは
一度もしたことが無い。

いや、悠斗君はすっごい
オープンなんだけど、

あたしが全部、拒んでるだけなんだけどね?


「なあ、今日、俺ん家来ない?」

「え!!!!?」

まさかのお誘い。 "俺ん家来ない?"

「あ、今日、塾だからごめん!!」

「・・・そっかー、じゃあまた今度ね」

「うん!!」












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