神様のかんちがい
☮花咲く笑顔
ガタンゴトン・・・
電車の中。
あたしと悠斗君と秋本は
扉の前で電車に揺られていた。
『次は桜ケ丘~』
運転手のアナウンスが響く。
「あっ!もうすぐだ!!」
秋本が嬉しそうに笑う。
「愛海、もうすぐだよ?」
悠斗君があたしを覗きこむ。
「・・・・」
あたしは目を逸らす。
(面倒だな~)
マジでそう思う。
「永沢さん、元気ないよね?」
秋本が眉を下げて聞いてきた。
その顔、かなり可愛い・・・
「そ、そんな事ないよ?」
つい答えてしまう。
「そう?」
悠斗君と同じ様に覗きこんでくる。
それも、かなりの至近距離で。
あたしは反射的に顔を逸らす。
あたし、今・・・・
かなり動揺してるだろうな。
自分でもそう感じてしまう。
そんなあたしの反応が面白かったのか
秋本は犬歯を見せながら大笑いした。
「永澤さんって面白い!!」
どうやらつぼにはまった様で
お腹を抱えながら笑っている。
「なっ・・・そんなに面白い?!」
焦って真剣になっているあたし。
だって、こんな風にからかわれたのは
生まれて初めてだから。