神様のかんちがい
「もう・・・ヤバイ!!!!!」
秋本は何の偽りもなく無邪気に笑う。
本当にウケたらしい。
「そんな笑ないでよ!!」
「だって・・・・ハハハ!!」
『桜ケ丘~桜ケ丘~』
笑い声が響く中、
あたしたちは電車を降りた。
「あーおもろかった!!」
秋本はニコニコしながら言ってきた。
「どこが面白いんだよ?」
自分の彼女が笑われたのが
嫌だったらしく、悠斗君は不機嫌だ。
「あたし、ただ顔を逸らしただけだよ?」
「いや・・・だって・・プッ☆」
まだ笑ってる・・・
どんだけ面白かったんだよ。
「ほら、行くぞ!!」
悠斗君の腕に捕まり、あたしは
強引にエスカレーターに乗せられた。
「ええーー?階段で行こうよ!!」
秋本がすねる。
でも、もう乗ってしまった
あたしたちに続いて仕方なく乗った。
「人いっぱいいるし~」
そう言った秋本の顔が本当に悲しそうで
あたしは目を逸らせられなかった。
ちょっとした事でも悲しむ秋本。
ちょっとした事でも喜ぶ秋本。
どうしてそんなに自然に感情を出せるの?
あたしは疑問だった。