神様のかんちがい

「あ~早くBizzのCD買いたいなぁ」

秋本は腕を頭の後ろに組んでポツリと言う。

「Bizz好きなの?」

「うん!!大好き!!」

とっても嬉しそうに言う。

「永沢さんもBizz好き?」

「・・・まあ」

興味なさげに答えたけど、
実はBizz、好きなんだよね。

「愛海が好きなわけないじゃん!」

すかさず悠斗君が口を突っ込む。

「Bizzって、洋楽だろ?
 あれのどこがいいんだよ!?」

秋本の顔がシュンとなる。

(Bizz侮辱するとはいい度胸じゃん?)

あたしは心の中でそう思った。

「・・・・」

秋本は今にも泣きそうなくらい
悲しい顔をしていた。

そんな秋本の顔にくぎづけなあたし。

「あたし、好きだよ?」

あたしの言葉に秋本は顔を上げる。

「え?」

秋本は目を丸くしてあたしを見る。

「あたし、Bizz、好きだよ?」

その瞬間、秋本の顔に花が咲く。

パァーーーっと・・・

本当に花が開く様に笑顔が出てきた。

「マジで??」

目をキラキラさせながら。

「うん・・・」

そんなキラキラ笑顔で凝視されると
かなり照れる。

「めっちゃ嬉しい!!!!」

素直に喜ぶ秋本が
可愛くて仕方がなかった。









< 13 / 50 >

この作品をシェア

pagetop