神様のかんちがい


「有難う御座いました~」


あたしたちはCDショップを出た。

「次の発売も楽しみだな~♪」

なーんて、独り言を呟いている。

(可愛い・・・)

男子を見て "可愛い" と
思った事は初めてだ。

サバサバしているあたしから言えば
羨ましい要素だった。

「ねぇ永沢さん?このCD、
 今度貸そっか??」

「え・・・」

人から物を借りるという
動作をした事がない。

「好きなんでしょ?Bizz!!」

「あ・・・うん!お願い!」

「じゃあ、今度の月曜日にでも!!」

そう言って、さっきよりもご機嫌に。

(どうしてこんなに嬉しそうなの?)

本当に、不思議でたまらなかった。



それからあたしたちは桜通りで
プリクラを撮り、ゲームセンターで遊んだ。

『このクマさん、あげる!!』

と言って、秋本からクマの
ぬいぐるみをもらった。

大きさ的にも丁度いい。

あたしのスクールバックに
スッポリ入った。



それから悠斗君行き付けの香水屋さんへ。

「大城ってこーいう店、好きなんだ?」

あたしが思った事を秋本が先に言った。

「まぁね」

悠斗君は得意げに答えた。

秋本が目を見開く。

きっと、ほめるつもりで
言ったんじゃないらしい。









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