神様のかんちがい

「次、カフェでも行こうよ!」

悠斗君の一言であたしたちは今、
カフェ・ラ・テリアにいる。

店の名前の通り、このカフェには
テリア犬が数匹いる。

「うわぁ~可愛い!!」

秋本が一人、はしゃいでいる。


「あいつ、マジで子供みたい・・・」

悠斗君が呆れた様に言った。

「だね・・・・」

でも、テリアは可愛い!!

あたし、大の犬好き。

それもテリアが特に!!


「あたし、テリア好きなんだ~」

「マジで?良かった、この店にして!」

悠斗君がやっと微笑んだ。

さっきからずっとあたし・・・
秋本としか喋ってなかったから。

「今度からあいつ連れていくの、やめるわ」

突然、悠斗君がそう言った。

「何で?」

「・・・愛海、あいつと
 しか喋ってないじゃん?」

「っっ」

言葉に詰まった。

まさにその通りですね。

「だって、うるさいんだもん」

「だからこそ、今度からは二人で行こ」

その言葉を聞いて、あたしは
かなりショックを受けた。


嫌だ、二人で行きたくない。

そう思った。


「愛海は何が食べたい?」

今度から二人なんて嫌だ。

「あっ俺、チョコレートケーキ!!」

「バーカ!!お前には聞いてないよ」

あたしは・・・

「ムーー!!!!」

あたしはコイツと・・・・

秋本と行きたいんだ。




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