神様のかんちがい
「それじゃぁまたね!!」
秋本が手を振る。
あたしと悠斗くんも手を振る。
「あ!!」
秋本が思い出したように足を止める。
「月曜日、ちゃんと持ってくるから!!」
「あ…CDのこと?」
「うん!!」
それを言うと秋本は走って帰って行った。
「…本当騒がしいな」
悠斗くんがヤレヤレと呆れている。
「まあ、それがあの人なんだよ」
な~んて…全然興味なさ気に
言ってみたけれど。
本当は気になって気になって仕方が無かった。
「じゃあ、家まで送るよ!!」
悠斗くんがあたしの手をとる。
ものすごくポジティブなところが苦手。
確かにウジウジしてるのもムカついてくる
けれども、すっごいオープンなのもどうかと。
「マジで、今度は二人で行こうな」
「…………」
どうしても答えられない。
そんな自分が悠斗くんに申し訳なくって。
「じゃあ…またな!!」
「うん。今日はありがとう」
あたしの家の前。
「…愛海、あのさっ」
「…何?」
「………キス、してもいい?」
「ぇ……………」
悠斗くんの真剣な眼差し。
どうしていいかわからなくなった。
「するよ?」
「ちょっと…」