神様のかんちがい
それから悠斗くんは
あたしを家まで送り届けてくれた。
「送ってくれてありがとね」
あたしはそれだけ言うと、
素早く家に入ろうとした。
けど、すかさず悠斗君が
あたしの腕を掴んだ。
「・・・どうしたの?」
「・・・・あのさ、俺たち、
付き合ってるよな?」
「え?」
「・・・明日も一緒に帰ろう」
「え?!ちょっと!!悠斗くん!!!」
あたしの答えなんか聞かずに、
悠斗君は帰って行った。
明日も一緒に帰るなんて・・・嫌だな。
それが今のあたしの本音。
別に悠斗君が嫌いだからじゃない。
ただ、怖いんだ。
嫌われるのが。
悠斗君との出会いは去年の入学式。
同じクラスだった事もあって、
けっこう仲が良かった。
でも、悠斗君はかなりの美少年で
あたしが付き合えるような男子ではなかった。
とにかく女子にモテてモテてモテて。
悠斗君に告白された時、
夢でも見てるんじゃないかって思った。
でも、それぐらい悠斗君はカッコイイ。
だから、いつあたしみたいな女子が
悠斗君にフられても、おかしくない。
だから・・・怖いんだ。
一緒にいる時、『コイツおもんない』って
思われたくないんだ。
だから・・・だから・・・・・
だから、恋人らしい事はしたくないんだ。
でも、今・・・・・・
悠斗君はあたしを求めて来ている。
どうすればいいんだろう・・・