神様のかんちがい


「ちょっとこれ、ママにもらったから」

そう言って渡してきた紙切れ。

「お!!カラオケの割引券じゃん!!?
 何でくれんの?」

「俺、カラオケとかに行く友達いないし
 こないだ二人の邪魔しちゃったから!」

「マジでありがとな!!
 愛海、これから行こっか? 
 カラオケ♪」

「え????!」

「じゃ、二人で楽しんできてね♪」

「ちょっと…秋本!??!?!?!」

そう言って帰って行った秋本。

「ここ、学校の近くのカラオケじゃん♪」

悠斗君はあたしを無理やり引っ張って
歩きだす。

「ちょ……」

あたしはそれに付き合うしかなかった。






「愛海は何ジュース?」

受話器を片手に悠斗君が聞いてきた。

「…ウーロン茶で」

「ウーロン茶とアイスティー一つずつ」

ガチャ

「愛海ってほんと、面白いよね?
何ジュースって聞いたのに、
お茶でかえすとは(笑)
さすが俺の彼女だ!!」

どこがさすがで、
どこが褒めるところなのか
さっぱりわからない。

「何か歌ったら?」

「んじゃ、一緒に歌おうぜ★」

「あたしはいいよ!!」

「遠慮しないでさ!!ほらほら!!」

「え……」

無理やりマイクを渡された。

「せっかくだし、ラブソングにしよ!!」

「ちょっと!?あたし歌わないからね??」

「ほら、始まったよ!!」

「ちょっ…人の話聞けって……」




 
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