神様のかんちがい


本当に、悠斗君は強引だ。

「素直になりなよ~♪」

悠斗君って、勉強もスポーツも
得意なのに、歌まで上手いなんて。

「ほら!!愛海だよ!!!!」

「ぇ……だから聴かせて
 あなたの声を~♪」

って…なんつー歌だよ……



「あ~楽しかった!!」

悠斗君とのユニットを
もう5曲も歌わされた。

「もう歌いたくないからね」

「愛海、めっちゃ上手いじゃん!!」

「全然…てかさ、声もガラガラだし
 そろそろ帰らない?」

「…まだ5曲しか歌ってないじゃん?」

「もう十分だってば…疲れたし」

「愛海ってすぐ疲れるよね!」

「そうだね」

あ~、もうそろそろ帰りたいんだけど。

「でも、今日は疲れても絶対返さないから」

「……へ…????」

ドンッ




気付いた時には身動きが取れなかった。

悠斗君と密室で二人きりになるのは、
どういうことなのかわかっていなかった。

「やめて……」

あたしはかすれた小さな声しか出なかった。

「…こないだ言ったよね?  
 もう俺は我慢しないって」

「…やだよ………」

「何で?俺ら、付き合ってるよね??」

言い返せない。

でも、怖くて…嫌で…

「大丈夫。中学生らしいことしか 
 しないから」

いやっ…

来ないで!!!!!!!!!




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