神様のかんちがい


「愛海はいい子だったね」

震える肩に悠斗君の大きな手が
触れる。

「いや!!!!さわんないで!!!!!」

あたしはその手をかわした。

「いいじゃん…」

おびえるあたしを強引に引き寄せる。

「ひっく…や……」

もう涙でぐちゃぐちゃな顔だったと思う。

「俺、好きだから。愛海のこと」

「ゃ……」

抱き締められるのって、
こんなに嫌なもん?

こんなに、拒否したくなること?

「そんなに泣くなよ」

あたしは悠斗君にされるがままだった。

そんな変なことをされたわけじゃない。

確かに中学生らしいことかもしれない。

でも…

「もう……触んないでよ」

抱き締められたり、キスされたりして
嬉しいのは、本当に

好きな人、だけだよ…

「いや!」

お願いだから

「俺は」

あたしに

「愛海が大好きだから」

触れないでっ









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