神様のかんちがい
そう言ってあたしの手をギュッと
握ってくれた。
安心して、眠りにつこうとするあたし。
そんなあたしを、秋本は切なそうに
見つめてたなんて、言ってくれなきゃ
わからないよ…
『ずっと傍にいるから。
だから安心して。』
『好きだよ……』
何の夢を見ていたんだろう。
目が覚めた時には
涙を流していたことに気付かされた。
でも、涙の跡は無かった。
誰かがハンカチかなんかで
拭いてくれたのだろうか。
そう思いながら横を見た。
「…秋本??」
そこには丸椅子に座ってベッドに
体を預けて眠っている秋本がいた。
スースーと規則正しく寝息を立てている。
「ずっと…傍にいてくれたの?」
秋本には聞こえてないけれど、
何故か自然に言葉が出てくる。
「ありがとう…傍にいてくれて」
そう言って、秋本の細くて
少し茶色で綺麗な髪を撫でた。
「愛海ちゃん!!」
下校時刻になってようやく
あたしと秋本は保健室から出た。
廊下には奈央ちゃんと怜奈と
由梨ちゃんと怜君がいた。
「愛海、大丈夫なわけ!!?」
怜奈があたしの顔を覗き込む。
「うん…」
「なぁ永沢」
由梨ちゃんの彼氏の怜君が
突然話しかけてきた。
「なに…??」
「悠斗とはどうなんだよ」
「ちょっと!!?怜!!!!!」
由梨ちゃんが怒る。