神様のかんちがい


「愛海、さっきの本当?」

怜奈が聞いてきた。

「…うん」

「誰?好きな人??」

「言えないよ…」

「そっか」

怜奈もそれ以上何も言わなかった。

「とにかく、これで一件落着だね!!」

そう言って笑った奈央ちゃん。

あたしには痛かった。

だって、奈央ちゃんが
好きになってしまった秋本のこと、
あたしも好きになってしまったから。

ましてや、奈央ちゃんに
協力するって言っちゃったし。

「でも悠斗君、最後はかっこ良かったね」

奈央ちゃんはあたしに眩しい笑顔を見せた。

「…うん……」

目を逸らしながら頷いた。

「…?愛海ちゃん??」

「…何でもないよ!!」

「もしかして…やっぱり悠斗君の
 こと好きなんじゃ…」

「違うって!!やっと別れられて
 ホッとしたの!!!!!」

それを見てた怜奈。

あたしの気持ちを最初に気付いたのは
きっと怜奈だったんだと思う。

悠斗君のときもそうだった。

「じゃあ、戻ろう!!
 今日はありがとう!!!!」

そう言って、あたしは
歩きはじめる。

あの人に向かって。






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