神様のかんちがい


怜奈はあたしを引っ張って
奈央ちゃんから遠く離す。

「怜奈?何急いでんの??」

「……」

「ちょっと…シカトしないでよ!!」



「ねぇ、いい加減教えなよ!!!」

「……よし、ここまで来れば
 誰も来ないよね…」

「??怜奈?」

「愛海さ、秋本一樹のこと、
 好きなんでしょ?」

突然そう言われて、動揺してしまった。

「…やっぱり」

「何で、知ってんの…」

「あたし、あんたと何年親友してるか
 わかってんの?
 全部お見通しよ」

「……さすがだね」

「褒めてる場合じゃないでしょ?
 どうすんのよ??
 奈央ちゃんには協力するって
 きっぱり言っちゃったじゃない?」

「きっぱりは言ってないし」

「あーもう!!!!
 そういう問題じゃなくて!!

 マジでどうすんの??
 友達裏切んの?
 それとも、秋本のこと諦めんの??」

「…わかんない」

「このままは一番ダメだよ?
 このままどっちもそのままにしてたら
 3人とも傷つくんだよ??」

「…うん……わかってるよ。
 けど…どうしたらいいのさ?」

「…秋本のこと、本当に本気なら、
 早いうちに奈央ちゃんに言うべき
 だと思う!!」

「……でも奈央ちゃんが先に
 秋本のこと好きだって言ったんだし。
 後からあたしが好きになったみたいに
 誤解されて…」

「そのこと、ちゃんと言えばいいんだよ!」

「でも、わかってもらったとしても
 奈央ちゃんが引くわけないじゃん」









 
< 44 / 50 >

この作品をシェア

pagetop