神様のかんちがい
 

「…恋愛ってそういうもんだよ?」

「え…?」

怜奈の声のトーンが一気に変わった。

「恋愛は、何でも自由なんだよ?

 好きになった理由も時間もきっかけも
 歳も性別も関係も…

 それでも好きって思うなら、
 どうすることも出来ないんだよ?」

怜奈の言葉があたしの心をドキドキさせる。

「…大切な友達を裏切ってでも」

あたしの心が迷っている。

「それに、せっかく大城君が
 愛海を応援するって言ってくれたじゃん?
 本当は悠斗君、別れたく
 なかったんだと思うよ?

 悠斗君の気持ち、無駄にしちゃダメだよ?」

怜奈の言葉にやっと気付いた。

そうだよね。

悠斗君の気持ち、感謝しなくちゃ。

「怜奈…あたし、悠斗君の気持ち、
 無駄にしたくない!!」

「あたしもなんとかするから
 頑張ってみようよ?」

「うん!! 怜奈、本当にありがとう!!」




そして次の日。


「愛海ちゃん!!」

「…奈央ちゃん、おはよう」

「おはよう!!」

朝からあまり会いたくない顔に
挨拶をした。

「昨日は秋本のこと、本当に
 ありがとうね♪」

「…うん……」

「あたしね? もう新しい服
 買っちゃったんだ~!!」

「そ、そうなんだ…」

苦笑いをしてしまう。

笑えない。

「あのね、奈央ちゃん…
 あたし……」



 

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