神様のかんちがい
「二人とも、おはよう!!」
あたしが奈央ちゃんについ、
秋本が好きだと言ってしまいそうに
なった時、怜奈が登校してきた。
「おはよう!!」
奈央ちゃんはご機嫌気味に
怜奈に挨拶した。
「愛海もおはよう!!」
「ぁ…おはよう……」
「…ちょっと愛海に話したいこと
あるから、きて?」
怜奈はあたしの返事も聞かずに
廊下に引っ張り出す。
「今、奈央ちゃんに何か
言おうとしてたんじゃない?」
さすが親友。
「…うん」
「……急に言うのはダメだよ?」
「そうだよね。でも、何でか
言っちゃいそうになった…」
「まずはさ、奈央ちゃんには
協力できないって
言うところからだよ」
「うん」
怜奈の言うとおりだ。
突然、秋本のことが好きだ
なんて言っても、奈央ちゃんを
混乱させてしまうだけだ。
「でも、ちゃんと言えるかな?
奈央ちゃんに、そのこと」
「…それは愛海次第だよ」
「永沢さ~ん??」
「!!!?」
ハッと横を見る。
「大丈夫? 生きてる??」
「秋本…」
笑って心配そうに
顔を覗き込んでくる秋本。
「うん…ちょっとボーっと
してただけ……」
目を逸らしながら顔を離すあたし。
ただ、顔をのぞきこまれただけなのに。
なんでこんなにドキドキするんだろう。