神様のかんちがい


「…あたしに近づくなって?」

「うん…桜ケ丘行った日の夜、
 大城からメール来て……」

「詳しく教えてくれない?」

「うん……で、
 俺の恋の邪魔すんじゃねぇよって
 送ってきて。

 永沢には一切関わんじゃねぇって」


悠斗君は気付いてたんだ。

あたしが秋本に心惹かれていることに。


「だから、お詫びにカラオケの割引券でも
 くれるんだったら許してやるって
 言われて……

 それであげたんだ」


秋本は悪くない。

全て、悠斗君の計算だった。

あたしを個室に連れ込めるように。

それも、偶然を装って…


「秋本…秋本は全然悪くないよ」

「でも…俺が」

「悠斗君のせいだから」

「…………」


許せない。

秋本を使って…


許せないっ


「秋本、本当にありがとう。
 それに…巻き込んじゃって
 ごめんね……」

「ううん、永沢さんが謝ること
 ないからっ」

「でも…悠斗君が下がるわけない」

「え??」

そうだよ。

友達使わせた悠斗君がこのまま
引き下がるわけない。

「秋本…逃げよっ」

きっと…悠斗君は秋本に何かしてくる。

「どうしたの? 永沢さん??」



 
 
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