神様のかんちがい
あたしは急いで悠斗君の元に走った。
「ちょっと!!
あんま大声出さないでよ!!?」
「何で?」
「は、恥ずかしいもん」
「・・・愛海って照れ屋さんだね!」
「な・・・そういう意味じゃなくて」
「ま、とにかくちょっと来て?」
何で "ま、とにかく" から
"ちょっと来て?" になるのか・・・
「何で?」
「いいから!!」
強引にあたしの腕を掴んで歩く。
教室の中から怜奈が手を振っている。
"いってらっしゃ~い"
確かにそう口が動いていた。
(クソっ後で覚えてろよ!!)
「ねえ、悠斗君・・・ どこまで行くの?」
気付けば体育館の前まで来ていた。
「もうちょっと!!」
まさか・・・
体育館の裏ってことはないよね?
しかし、あたしの予想は的中し、
悠斗君は体育館の裏でやっと足を止めた。