神様のかんちがい

「な、何でここ?」

「ここ??」

「だから・・・何で体育館の裏?」

「別に場所とかどうでもいいじゃん?」

まあそうだけど・・・

「で、何の用?」

急かすあたし。

「えっとさ・・・特に理由はなくて」

「はぁ?」

特に用無いなら何で呼んだ?

「用無いならあたし帰るね・・・」

「おい!ちょっと待てよ!!」

悠斗君の呼び止めにも応じず、
あたしはさっさと校舎に戻る。

「待てよっ________」


悠斗君の切なそうな声。

その声と同時にあたしの動きは
無理やり止められた。

「ちょ・・・・・」

後ろからかなりの力で
抱き締められている。

「行くなよ・・・・」

甘い悠斗君の声。

こんな事、一度も
された事がないあたしは
ただじっとしているしかなかった。

「やめてっ・・・?」

小さな声で言ってみた。

「嫌だ」

願いを拒まれ、あたしは
どうしていいかわからなくなった。

「もう昼休み終わるよ?」

「・・・さぼっちゃえばいいじゃん」

「え?」

さぼ・・・る?

さぼるって、授業を??

「なぁ・・・・」

「な、に?」

「このまま抜け出そ?」

「ぇえ??!」




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