神様のかんちがい
「抜け出すって、学校?」
「うん」
「・・・あたしは嫌だ」
「・・・・」
「だって、放課後遊ぶんでしょ?」
「・・・・わかった」
悠斗君は観念した様で
あたしから腕をほどいた。
「じゃあ、6時間目終わったら
校門の前で」
そう言い残し、校舎に帰って行った。
あたしもその後に続く。
「おっかえり~♪」
「ただいま・・・・」
教室に戻ると怜奈の
甲高い声が響いた。
「どうだった?」
「何が?」
「悠斗君と?」
「何を?」
「・・・愛海、怒ってる?」
「・・・・」
あたしの答え方を聞いて、
怜奈はあたしの顔色をうかがった。
あたしはいつも不機嫌な時、
"何が?" とか "それで?"
といったことを言う。
「そんなに気になんの?」
あたしに睨まれた怜奈。
「そ、そりゃ・・・・」
かなりビビってるみたい。
「・・・・あんま期待
しない方がいいんじゃない?」
「で、ですよね・・・・」
あたしの機嫌の悪さに怜奈も
気を使っている。