不協和音
「嬉しいよ、ありがとう、直樹君!」
「お、おう・・・」
満面の笑みで言う私に、ぶっきらぼうに答える直樹君。でも、その後すぐにいつもの爽やかな笑顔になる。
こんな時間が、大好きだった。
早速、隠れて携帯を開き、田中さんへメールを送った。色々嫌味を言われるのが嫌だったから、出来るだけ丁重に文章を書いた。
何だか、このメールは丁寧に扱わないといけないと思った。まるで、運命の境目みたいな感じで。
『こんにちは、田中さん。いきなりですが、3日後のあの約束のことなんですけど・・・。あの日、ちょっと用事が出来たので、16時までには家に帰らないといけないんです。本当に、ごめんなさい。なので、その時間帯で遊びましょう』
――メールを送信しました――