不協和音


等身大の鏡を使い、洋服を選ぶ。よく漫画であるようなことは、本当にあるのかと実感させられる。今の私の部屋は、私の服で埋め尽くされている。
これにする?・・・いや、こっちのほうが良いかも。あ、でも・・・・・・。
永遠に続きそうになる、この思考。でも、止めることは出来ない。中々決まらないのだ。

今日は、5月5日。そう、あの約束の日になってしまったのだ。・・・早い!早すぎるよ!もうちょっと待ってくれてもいいと思う。

「うわっ!もう14時30分だ!は、早く決めなきゃ・・・」

携帯のディスプレイを見て、慌てる。が、頭と体はかみ合ってくれなくて、思うようにいかない。ああ、間に合うかな。遅刻しちゃ駄目だよね・・・。あ、女の子だから、一応5分前とかに来たほうが良いのかな・・・。

「もうこれで良いよね!?」

髪を緩くシュシュで結び、淡い桃色の膝丈のワンピースを着る。必要な物だけ手提げ鞄に入れて、走る。
家を出てからも、走る。白いブーツサンダルを履いているから、ちょっと走りにくい。だけど、今はそんなこと気にしていられない。

家から桜色公園までは、若干遠いってこと、忘れてた!20分はかかるんだよね・・・。

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