不協和音


「わ、分かんない・・・」
「はあ・・・」

思いっきり溜息を吐かれたが、文句は言えない。英文を読めないことに呆れられているんだろう。仕方が無い、勉強をしていない私が悪いんだ。
でも、好きな人に呆れられたら、かなり傷つくのが乙女心っていうものだ。眉をハの字にしてしまう。

「教えて?」
「・・・・・・そんなに知りたいのかよ」
「え、まあ・・・。気になるし」

すると、また直樹君の眉間に皺が寄る。怒っているようだ。
・・・自分で調べろって意味?何人に頼ってんだよ、ってこと?

「ああ、やっぱり・・・」
「それ、さ・・・・・・」

いいよ。そう言おうとしたら、また遮られた。そして、直樹君は、視線を泳がせ、空を仰ぐ。そのまま、私の顔を見ずに口を動かす。

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