不協和音


5月も終わり、いよいよあのジメジメした梅雨の季節がやってきた。
高校生になって2回目の梅雨は、去年より重たい空気をしているような気がした。

雨が降らないと駄目だって分かっているけど、こんなジメジメしているのは嫌だ。
なんで朝からこんな重い気分で学校に行かなきゃいけないんだろう。
それでも、直樹君の爽やかな笑顔を見たいが為に私は重い足を引きずる。

直樹君に会いたい。あの目が合ったときの、淡く燃えるようなときめき。
田中さんにも会いたい。最近は慣れてきたから、別段嫌がる必要も無い。

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